みなさんはガールズケイリンの車券を購入した事があるでしょうか?
ガールズケイリンといえば基本的に1開催で2レースだけ組まれ、言い方は悪いですが男子に比べるとオマケのような扱いが多くなっています。
しかしガールズケイリンは年々人気を増しており、「顔より太もも」というキャッチフレーズでした。
しかし、最近ではビジュアル面でも注目され、テレビや紙面などメディアに登場する事も増えてきました。
そんな人気も後押しして、2023年に誕生したのが「オールガールズクラシック」です。
今回はオールガールズクラシックがどの様なレースなのか紹介していきます。
オールガールズクラシックの歴史は?
先ほども少し触れましたが、オールガールズクラシックは2023年に新設されたGⅠで、2024年に第2回を迎えました。
その名の通りガールズケイリンだけで全てのレースが行われ、3日間36レース全てがガールズケイリンとなっています。
モデルとなっているのは、2022年に開催された「ALL GIRL’S 10th Anniversary」です。
ガールズケイリン10周年を記念して企画され開催されたこのレースは、3日間全てのレースがガールズケイリンで行われました。
AグループとBグループに分けられ、1大会で3人の優勝者が出ています。
決勝は2レースでしたが、Bグループは柳原選手が、Aグループは児玉選手と佐藤選手が同着だったため優勝者が3名になりました。
ただし「ALL GIRL’S 10th Anniversary」はあくまで記念のイベント的な要素が大きく、優勝賞金は、グループA・グループBともに62万6000円と、平開催と変わらぬ賞金でした。
新設された3つのG1でオールガールズクラシックは最高峰の格付けレース
そもそもガールズケイリンには、GⅠがなかったのです。
男子競輪と同様にG1に格づけられる競走が、ここで紹介しているオールガールズクラシックも含めて、ガールズケイリンは2023年度にG1レースが3つ新設されました。
- オールガールズクラシック 2023年度新設
- 競輪祭女子王座戦 2023年度新設
- パールカップ 2023年度新設
- 女子オールスター競輪 2025年度新設
ガールズケイリンのGP
- ガールズグランプリ 2023年度新設
「パールカップ」は高松宮記念杯競輪の中で開催され、「競輪祭女子王座戦」は朝日新聞社杯競輪祭の中で開催されています。
2024年の優勝賞金は両レースとも450万円となっており、「ガールズコレクション」や「ガールズドリームレース」が270万円だったことを考えるとかなり高額の優勝賞金となっています。
また、2025年度には「女子オールスター競輪」も開催されることが決まりました。
「女子オールスター競輪」は、実力以上にビジュアル先行選手を中心に人気ガールズケイリン選手が一堂に集まる大会になりそうですね。
しかし、オールガールズクラシックの優勝賞金は更に高額で、年末に行われるガールズグランプリの700万円につづく550万円。
クラシックの名に恥じないG1の中でも最高峰の格付けです。
オールガールズクラシックの勝ち上がり方法は?
オールガールズクラシックは7車立てのレースが1日で12レースも行われ、単純計算で84名の選手が出場することになります。
また、通常のグレードレース(G3~G1)は4日以上の日程で開催されるのに対し、オールガールズクラシックは3日間開催となっています。
ですから男子のように、一次予選、二次予選、準決勝、決勝という日程を組む事ができません。
そのため、オールガールズクラシックは少し特殊なレースプログラムとなっています。
まず前半の6レースはA、B、Cの3グループに別れ、予選2レースずつの通常開催と同じプログラムです。
そして後半の6レースがオールガールズクラシックの予選+ティアラカップ(特別選抜)となっています。
2日目も前半の6レースは通常のガールズ予選が開催。
後半は普段のガールズケイリンと違い、ポイント制ではなく男子競輪と同じ勝ち上がり戦となっています。
そして、7、8、9レースはオールガールズクラシックの予選で4着以下の選手+3着の選手1名が選抜で戦い、ティアラカップ出場者の7名+予選1着2着の10名(2名×5レース)+3着の4名、計21名で準決勝が行われます。
最終日は1、2、3レースがガールズ一般戦。4、5、6レースでA、B、Cグループの決勝が行われ、7レースからはオールガールズクラシックの選抜と特選です。
最後の最終レースで決勝が行われるレースプログラムです。
簡単に説明すると、前半は普通のガールズケイリンが3組に分かれてレースをし、後半がオールガールズクラシックの本番といった感じですね。
前回2023年の優勝者や貰える特典は?
第1回オールガールズクラシックの初代優勝者は、上記画像の佐藤水菜選手でした。
それも予選からオール1着の完全優勝で、大雨の中の決勝でも2着と3車身差をつけての圧勝。
競走得点が50点台後半あればトップクラスといえるガールズケイリンにおいて、63点台という異次元の数字を叩きだし、誰もが認める「最強の女子」となりました。
第1回オールガールズクラシックの決勝動画を見たい人は下記のKドリlive放送をご覧ください。
元選手の高木真備さんの予想が見事的中しています。
G1レースで優勝した選手は年末のガールズグランプリに優先出場権が貰う事ができ、オールガールズクラシックの優勝者ももちろんガールズグランプリの優先出場権が貰えます。
また、優勝できなくても決勝まで勝ち進んだ選手は、翌年のオールガールズクラシック優先出場権が手に入ります。
ちなみに同2023年のガールズグランプリにおいても、オールガールズクラシックで圧勝した佐藤水菜選手が優勝しました。
現在ガールズケイリンでは最強と言っても過言ではありません。
2024年度のオールガールズクラシックは大混戦が予想される?
2023年は佐藤水菜選手をはじめとしたナショナルチームの選手も参加していたのですが、2024年はパリ五輪を控えている事もあり、ナショナルチームの参加は見送られました。
前年度の覇者である佐藤水菜選手をはじめ、梅川風子選手、太田りゆ選手と競走得点60点前後の選手が軒並み不参加となっており、大混戦になる事は必死です。
今のところのシリーズリーダーは57.28点の坂口楓華選手となっています。
2024年オールガールズクラシックの注目選手は?
2024年4月26日~28日に開催されるオールガールズクラシックは、G1の中でも最上格でガールズケイリンの頂点を目指す女王決定戦です。
大会名や出場選手はすでに発表されています。
大会名は、「令和6年能登半島地震復興支援競輪 第2回オールガールズクラシック」となりました。
しかし、パリオリンピック前のためナショナルチームが不在なので、実力伯仲の高額優勝賞金を懸けた熱い戦いが予想されます。
今回の、オールガールズクラシック出場選手の中から注目選手をピックアップしてみました。
「児玉碧衣選手」は現在ガールズ最強のひとり
児玉碧衣選手は2018年~2020年にかけてガールズグランプリを3連覇し、ガールズケイリンの女王とも言われている選手です。
このブログの人気ランキングでも、堂々の1位にランクされています。
2023年、最強と言われている佐藤水菜選手に勝利した数少ない選手であり、佐藤水菜選手とは何度もライバルとして激戦を繰り広げてきました。
それだけに優勝候補筆頭と言いたいところなのですが、2022年のガールズグランプリで落車して鎖骨を骨折してしまいました。
この骨折あたりから万全とはいかず、病気で欠場することも多くなり、競争得点も56点まで落としています。
とはいえ圧倒的な強さのイメージは残っており、ファンもかなり多いガールズを代表する人気選手です。
軸になる事は間違いないと思いますが、最近では思わぬ伏兵に大金星を与えてしまうレースも増えているので、安易に大本命の軸として考えるのは危険かもしれません。
小林莉子選手と石井寛子選手は侮れない
小林選手は102期、石井選手は104期と、ガールズケイリンの初期から活躍し続ける2人。
全出場選手中、競走得点でも2位と3位につけていて優勝候補の一角です。
2人の強さは圧倒的な脚力というよりは位置取りの上手さ。
とあるガールズの選手が「気付くと後ろに莉子さんがいる」と言ってしまうほど、立ち回りが上手く最後の最後で差して1着になるケースが多い選手です。
石井選手は+αで自力も強く、直近の直接対決では石井選手に分があります。
G1レベルになると流石に位置取りも難しくなり、他の自力選手もトップクラスの強さですが、立ち回りが上手く行った時は1着も十分あるので車券には絡めておきたい2人となっています。
渡口まりあ選手は穴狙いもあり
競走得点は50点程度で直近の勝率は8.3%。
逃げる事も多い選手で平開催でも決勝に勝ち上がる方が少なく渡口選手は補欠選手でしたが欠員が出たため出場が決定し、今回が特別競輪初出場となります。
勝率75%以上の8人を含め、ハイレベルな選手が揃うオールガールズクラシックにおいて、成績だけ見ると物足りない印象を受ける方が多いと思います
しかし、渡口選手は普段逃げる事が多く自力に拘る選手です。
そのため初めての特別競輪でどのような立ち回りをするのか要注目。
普段は自力主体ですが実はマークも出来る選手で、マークに徹すればトップレベルの選手についていける脚力を持っています。
スポーツに限らず補欠からの勝ち上がりで活躍するケースはよく見かけるので、今回のレースで穴を開けるなら渡口選手の2着3着絡みが狙い目かもしれません。
私は穴狙いが好きなので2着で買うつもりです(笑)
実際オールガールズクラシックの車券は売れるのか?
普段ラインのある競輪を見ているファンにとって、ラインの無いガールズケイリンは全く別物の競技に見えます。
そのため残念ながら通常開催でガールズケイリンが組まれていても車券を買わないファンは多いです。
一方で、ガールズケイリンが好きでガールズケイリンをメインに車券を買っている層もいます。
公営競技は、人気を占う上で一番参考になるのが車券の売り上げです。
では、オールガールズクラシックの売り上げはどの程度あったのか確認してみましょう。
第1回大会の売り上げはなんと30億3670万3700円!
目標が25億とされていたので、予想以上の大成功となりました。
個人的に「選手は売り上げとか気にしてるのかな?」と思っていました。
しかし、当時のTwitterでは売り上げに関して喜んでいる選手が何人もいて、中でも児玉選手は「毎日みんなで売り上げを気にしていた」という内容のツイートをしていました。
皆さんのおかげで30億の売り上げがありました!ありがとうございました❣️毎日みんなで売り上げを気にしてたりガールズのためだけに来てくれるお客さんが沢山いて嬉しいって喜んでました🥹💞決勝前には皆さんが拍手で待っててくれて感動しました🙇♀️自分自身もっと強くならなきゃと思わされた開催でした→
— 児玉 碧衣 (@15080aoi) October 4, 2023
ちなみにオールガールズクラシック前に開催された4日制のG3を見てみると、3月末に開催された武雄競輪のG3は48億7981万6300円でした。
1日少ない3日制のオールガールズクラシックで30憶円達成は、男子競輪のグレードレースにも迫るレベルの売り上げがお分かりいただけると思います。
初めてガールズケイリンを買う時に注意しておきたい事
普段ガールズケイリンは買わないけどG1なら買ってみるか
こういった方もい多いかと思います。
私なりに、いくつか注意点を紹介していきます。
まず先ほども少し触れたのでご存知だとは思いますが、ガールズケイリンはラインが無いのが特徴です。
下記の記事は、ガールズケイリンの基本的な当たりやすい買い方はわかりますので参考にしてみてください。
そのため同県選手であっても必ず並ぶという事はありません。
また、最近になってものすごく増えてきたのが、一旦並んだ後に点数下位の選手やマーク屋の選手が強い選手の後ろで競るのではなく、強い自力選手の外から被せて並走するケースです。
ガールズケイリンは横の動きが禁止されているので、外からフタをされてしまっては前にも横にも動けず、どれだけ強い選手でも成す術がありません。
そのため強い選手はどんどん不利な後方へ置かれてしまいます。
普段ガールズケイリンを見ない人は「なんでそんな奴を入れるんだ!」「ラインじゃないか!八百長だ!」と思うかもしれません。
個人的にもスタートの位置取りで脚を使わず後から楽して良い位置に入ろうとするやり方は好きではないのですが、前もってルール上やむを得ず位置を下げていると理解しておけばイライラも半減されると思います(笑)
まとめ
ここまで4月26~28日に開催されるガールズケイリンだけのG1「オールガールズクラシック」について紹介してきました。
これまでガールズケイリンに興味が無かったというファンの方にも一度は体験してもらいたいG1になっています。
永年の競輪ファンにとっては、ラインが無いので昔の競輪に近い感じがするかもしれません。
しかし、オールガールズという事で男性からは普段とまた違った熱い声援が特徴です。
現地に行ける方は是非競輪場でいつもと違う雰囲気も楽しんでみてください。
新しいケイリンの世界を発見できるかもしれません。
私もその一人です(笑)
コメント