競輪の代謝制度のしくみ|強制引退しそうな選手がいるときの車券の買い方【男子】

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競輪の代謝制度のしくみ|強制代謝しそうな選手がいるときの車券の買い方【男子】
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競輪選手の平均年収は、2023年では1,400万円以上であり、年々上昇しています。

中には1億円、2億円と稼ぐ選手もいるため競輪選手に憧れる人も増えているのも納得ですね。

現在、競輪選手養成所の倍率は5.8倍まで上がっているほどです。

競輪選手になるまでも大変ですが、選手になってからも様々なハードルや厳しい精度が待ち受けています。

その中でも、主に成績下位のベテラン選手に恐れられているのが代謝制度

簡単に言うと、強制的に引退させられる制度です。

男子選手の場合は、対象選手は競輪選手の中でも一番下のランクに値するA級3班(チャレンジ)に代謝制度が適用されます。

ガールズケイリンの女子選手は男性と少し事情が違いますのでこちらの記事でまとめています。

車券を買う人は、代謝なんてレースに関係ないと思われがちです。

しかし、代謝制度を知ることで、美味しい配当にありつけるかもしれません。

この記事では、「代謝制度」というのがどの様なものなのか?

競輪初心者さんのもわかりやすく説明していきます。

また、強制代謝しそうな選手がいるときの車券の買い方などもわかりやすく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人
  • 競輪歴15年
  • 回収率約80%~100%+α
  • ほぼ毎日のジャンキーw

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あたりめ
目次

競輪選手の強制引退の代謝制度とは?

競輪選手の強制引退の代謝制度とは?

代謝制度とは簡単にいうと、成績が下位の選手の登録が抹消され強制引退されられる制度です。

競輪選手ではなくなってしまうことです。

「登録審査制度」とも呼ばれてます。

代謝制度は、競馬の騎手にはありませんが、ボートレースやオートレースにも存在します。

しかし、人数などの問題もあり競輪のように厳格にはなっていないようです。

管理人補足

競艇は選手登録数が1,600人を超えると、成績や出走回数などにより引退勧告されることがあります。

オートレースにも、代謝制度はありますが選手人数が少ないので最近では代謝制度で引退した人はいません。
オートレースは基本ハンデ戦なので、実力が落ちても問題ない部分も大きいと思います。

競輪選手の代謝制度は厳格なルールのもと、選手の意志や意見は関係なく問答無用で選手生命を絶たれてしまうのです。

競輪では6月と12月にこの制度が適用され、その度に男子だけで約30人の選手が代謝制度で姿を消す事になります。

厳しい制度ではありますが、毎年70名近くの新人選手がデビューするため、競輪選手の収入を確保するためにも必要な制度といえるのかもしれません。

男子競輪選手の代謝制度や強制引退のしくみ

男子競輪選手の代謝制度や強制引退のしくみ

代謝制度は3期分(1年半)の成績から算出され、下位30位までの選手が強制代謝で選手生命が絶たれます。

代謝制度の対象になるのは、上の番組表の赤枠で囲ってある「競争得点」が重要になります。

ガールズケイリンは、少し違うので、こちらの記事をご覧ください。

男子選手は競走得点70点が代謝のボーダーライン

男子の場合の代謝対象選手は、競走得点70点がひとつのボーダーラインとなっています。

  1. 2期連続で競走得点が70点未満
  2. 3期通算で平均競走得点が70点未満
  3. この条件に当てはまる選手の中から成績下位30名

この3つ全てを満たしてしまうと強制代謝となってしまうのです。

3つそれぞれについて、例えを交えて分かりやすく説明していきます。

❶「2期連続で競走得点が70点未満」の例

「2期連続で競走得点が70点未満」というのは、6月末と12月末の審査期に連続で70点未満だった選手に適用されるシステムです。

例えば、前期69点→後期68点の選手は条件に当てはまってしまいます。

それに対し前期69点→後期71点だった選手は後期で条件を回避しているので、代謝制度も一度リセットされ、ここから2期連続で70点未満にならない限り、強制代謝の対象になる心配はありません。

極端な話し68点→71点→68点→71点→68点→71点……を繰り返していれば、何度70点未満になっても強制代謝の制度に引っ掛からないという事になります。

❷「3期通算で平均競走得点が70点未満」の例

「3期通算で平均競走得点が70点未満」という制度になっているのですが、これは68点→69点→74点といった感じで3期目に点数が跳ね上がらないとクリアできません。

ですから、2期連続で70点を超えなかった選手には、なかなか難しいハードルといえるでしょう。

例えば68点→69点→71点の場合、3期の平均競走得点は70点を超えていません。

それ故に、最後のステップに進んでしまうことになります。

❸2つの条件に当てはまる選手の中から成績下位30名

最後は、この上の2つの条件に当てはまり、「成績下位30名」に該当する選手が強制代謝となります。

ちなみに2の例で挙げた「68点→69点→71点」の選手は3期目の71点で1つ目のハードルをクリアしているため、この期を乗り切ればリセットされて最低でも1年半は競輪選手を続けることが可能です。

その時々でボーダーは変わりますが、私のこれまでの実感だと「大体68点あれば生き残れるかな?」といった感じかな?と思います。

「68点→69点→71点」なら平均競走得点は69点以上なので、おそらく代謝回避+1年半は安泰でしょう。

代謝制度は70点未満になってからが本当の闘い?

代謝制度は70点未満になってからが本当の闘い?

上で説明したように、70点未満を2期続け、3期平均も70点未満だった場合に対象となる代謝制度です。

しかし、69点になったからといっていきなりピンチと言う訳ではありません。

むしろ、ここからが生き残りをかけた本当の戦いが始まるのです。

代謝制度は、競輪選手の中でも一番下のランクに値する「A級3班(チャレンジ)」に適用されます。

A級3班には、2024年1月9日現在496名の選手が在籍しています。

この中で70点を超えている選手は268名であり、228名は70点未満で代謝制度の対象、もしくは近い将来対象になり得る選手たちです。

ここから最終的に下位30名の選手が選ばれるので、このまま70点未満でもいきなり強制代謝になるわけではありません。

実際の競輪選手として生き残れるボーダーラインは、ここ数年は概ね67.5点前後です。

先ほども紹介した通り68点くらいを維持できていれば、代謝制度の対象にはなってしまいますが選手を続けることができるのです。

二度と選手に戻れないシビアな代謝制度

高い倍率の選手養成所に合格し、それでもすぐに代謝となってしまうかもしれない競輪界。

これだけでも非常にシビアな世界ですが、実はもう1つ厳しいルールが設けられています。

それは「強制代謝になった選手は2度と競輪選手になれない」というルールです。

競輪選手になるには選手養成所を卒業する必要があるのですが、強制代謝となった選手は再び養成所へ入る事ができないため、必然的に復帰への道が絶たれてしまいます。

G1のような大きなレースで活躍した選手や、地元で愛された選手であれば解説者として仕事がある場合もあります。

しかし、残念ながらほとんどの選手がそうはいきません。

もちろんJKA(競輪とオートレースを統括する公益法人)で引退選手すべての面倒を見る事は出来ないので、ほとんどの選手は競輪と関係のない職業に進みます。

引退後は飲食店を経営する人もいれば、自転車屋でスキルを活かした仕事に就いた引退選手もいました。

代謝制度のメリットやデメリットを考えてみた

代謝制度のメリットやデメリットを考えてみた

一見選手が可哀想にも思える強制代謝の制度ですが、もちろんデメリットだけでなくメリットも存在します。

代謝制度のメリットは?

競輪選手にはあまり関係ないメリットですが、代謝制度の理由というかメリットについて考えてみました。

競輪選手の収入の確保

最初にも紹介しましたが、競輪は毎年約70名ほどの新人選手がデビューします。

もし選手が辞めなければ年々選手が増加し、斡旋されるレース数も減少。そうなれば収入も減少してしまいます。

コロナにより競輪も中止が相次いだ時期があったのですが、主に稼ぎの少ない新人選手が「コロナじゃなくて仕事が無くて死んでしまう」と悲鳴を上げていました。

もし代謝制度が無ければそういった選手も増えてしまい、特に下のクラスで戦っている選手にとっては死活問題となってしまいます。

そのためにも代謝制度は必要不可欠といえるでしょう。

弱肉強食の世界は一定のレベルを保てる

競輪では怪我や病気などで長期欠場した場合、競走得点が0点になってしまう事もありますが、普通にレースに出続けて63点前後という選手も存在します。

言い方は悪いですが、63点くらいまで行くとチャレンジといえどレースに参加できていない状況であり、ハッキリ言ってしまうと勝つ要素がない選手は必要のない存在です。

それでも斡旋されて3日間走れば、全て最下位でも14万円ほどの賞金が出るので、自分から辞める選手はあまり多くありません。

もし、そんな選手が多数残ってしまうと、車券の売り上げにも大きく影響してくるでしょう。

だってその選手絡みの車券を買う人がいないのですから…。

そういった事態を防ぐためにも代謝制度は必要となっています。

代謝制度のデメリットは?

メリットがあればデメリットもあります。

代謝制度によるデメリットを私なりに考えてみました。

若手選手が即代謝という事もある

男子の競輪選手は全員がA級3班からスタートします。

A級3班は一番下のクラスなので、もちろん新人も2期連続、3期平均で70点未満の場合、代謝制度の対象になります。

そうは言っても、A級3班のレベルなら、養成所を卒業したデビューしたての新人が負け続けて70点を下回る事はほとんどありません。

この記事でも書いていますが、チャレンジで新人選手が負けることは稀です。

しかし、中には稀にそういう事態が起こる事も事実であります。

私の知っている限りでは、ヘルニアなどの病気が原因で本来の力を出せず、残念ながらそのままストレートで代謝という事もありました。

また、本来であればじっくり療養して治療したいものの、代謝制度があるために注射で痛み止めを何度も打って無理やり出場していた選手もいたことがあるようです。

2024年から「再チャレンジ検定制度」が導入される

2024年から「再チャレンジ検定制度」が導入される

2024年度から、A級3班(チャレンジ)やL級(女子)の選手に「再チャレンジ検定制度」から導入される予定になっています。

今までも「公傷」制度があり出走できなくても代謝制度の対象外となる処置がとられていましたが、A級3班(チャレンジ)やガールズ競輪のL級(女子)にはそのような救済措置はありませんでした。

A級3班の選手や女子競輪選手のうち、落車などで最低出走本数が足りない選手のなかで、31日以上治療を受けた選手が対象です。

男子は1000メートルのタイムトライアル、女子選手は500メートルで一定の基準タイムをクリアすることが条件になります。

男子の場合は1000mを1分9秒が合格ラインとなっています。

これがどの程度の記録なのか?新人である123期生の養成所時代の記録を見てみたのですが、1分9秒を競輪学校でクリアしていたのは4割程度でした。

ですから、この記録を大怪我や病気から復帰してクリアするのはかなりの難易度だと思います。

しかし、ガールズケイリンは、ランク分けされていないので、新人選手の救済のキッカケになればいいですね。

ケガなどで出場できない選手の為に、2024年より新たに「再チャレンジ検定制度」が作られました。

ザックリ説明すると、「怪我などにより出走回数の不足が原因で代謝になった選手にチャンスを与える」といった制度なのですが、

強制代謝しそうな選手がいるときの車券の買い方と勝率の上げ方

強制代謝しそうな選手がいるときの車券の買い方と勝率の上げ方

競輪に限らず、公営ギャンブルといえば、G1レースなどの大きなレースに注目が集まりがちです。

しかし、競輪の期末にあるチャレンジも一部のコアファンの間で大きな注目を集めています。

チャレンジは、一番下のランクに値するA級3班のレースのことです。

A級3班の選手は、前期と後期で集計される代謝対象になることを一番気にします。

前期と後期で集計される「競争得点」は、まさに生き残りを賭けた戦いが繰り広げられるのです。

代謝候補かどうかを知っているだけで、チャレンジレースの勝率は大きく変わってくると言っても過言ではないでしょう。

因みに、チャレンジレースは、ミッドナイト競輪に多く開催されます。

ファン目線で見ると選手生命がかかった期末のレースでは様々なドラマや独特な展開があり、そこまで予想して車券を買うのが醍醐味のひとつです。

私が実践している、チャレンジ期末のレースでの押さえておきたいポイントをいくつか紹介していきます。

私の妄想も入っているので参考程度でご覧ください。

自分の成績より先輩の代謝回避が優先?

例えば、もしあなたが若手競輪選手で、お世話になっている同県や所属競輪場の大先輩がギリギリ代謝候補になってしまったとしましょう。

同じチャレンジのA級3班ですが、自分は競走得点的にも強制代謝になる可能性が0%。なんとか先輩の競走得点を上げたい。

そんな時、同じレースに予選で斡旋されてラインを組む事になったらあなたならどうしますか?

おそらく多くの方は自分の成績より先輩が良い着を取れるように考えると思います。

そうなればやる事は1つ。

その選手が番手に付いてもらい「とにかく逃げる!」です。

捲りに構えると後ろが付いていけないケースも多々ありますが、スタートで前を取ってそのまま逃げれば、ぎりぎり代謝候補の選手であっても大抵の選手が付いこれます。

車番的にスタートを取れなくても、残り2周から必ずと言って良いほど先頭を取りに行きます。

稀にツキバテ(追走出来ずに離れていく状態)もありますが、強制代謝がかかっていたら必死についてくるでしょう。

この時、前を走る選手が絶対にしてはいけない事は、他のラインを自分の前に出す事です。

残り2周~1周半から踏み続け、意地でも先頭を死守し、最後は差されてもいいくらいの勢いでいきます。

俗にいう「二段駆け」です。

二段駆けとは、番手捲りのこと。

「二段駆けは頭鉄板」という競輪の格言があるほど鉄板の戦法です。

時には自分が着外に沈んだり、わざとゴール前で失速して先輩に1着を譲る選手も数多くいました。
※あくまで私の想像です。

この行為を「八百長だ!」という人もいますが、代謝制度の事を知っていれば十分予想出来る事であり、むしろ代謝制度を理解して車券を買う側としては美味しいレースとも言えます。

代謝候補選手の単騎がいるレースは要注意

代謝制度ギリギリに引っかかっている選手であれば、上で紹介したパターンが多々あります。

しかし、中には、衰えなどで、前期・前々期の競争得点的にどうあがいても代謝を免れない選手もいるのです。

特に自力選手の場合にその傾向が多いように感じます。

64点を切るくらいの「競争得点」になると、ラインで他の選手に迷惑をかけてしまわないため、「単騎で自力」という選択を取る選手も少なくありません。

結論からいうと、こういった選手が車券に絡む事は滅多にないので真っ先に消すのがセオリーです。

しかし、思い残す事が無いように単騎で大逃げをするケースも実際あります。

もちろん無謀な戦術で勝てる可能性は0%に近く、ほとんど残り1周~半周くらいで力尽き、大差の最下位に沈んでしまいます。

ここで注目したいのは、この無謀な自力の単騎戦術が他のラインに大きく影響する事です。

例えば「123ー7ー456」というライン構成で、7が代謝候補、4ラインが逃げ、1ラインが捲り。

力差的には4より1の方が上だったとします。

実質2分戦で1の方が強いなら、1の捲りが決まった展開から車券は売れていくでしょう。

しかし、この時7番の選手が大逃げすると、逃げる予定だった4番選手は番手にハマる事になるのです。

7番選手を誘導のように使いつつ、1番選手の捲りに合わせて残り1周を切ったあたりから番手捲りする形になります。

こうなると劣勢だったはずの456ラインが上位独占という事も、チャレンジでは見慣れた光景です。

決まり手0で63点くらいの自力選手がいても普段は気にも留めないと思います。

しかし、特に期末が近づくと「思い残す事が無いように」と単騎大逃げをする選手もいることを頭に入れておきましょう。

遊び感覚で展開予想しておけば、代謝制度のことを知っているだけで穴車券が取れるかもしれません。

チャレンジレースは、早朝のモーニング競輪でも置く開催されています。
モーニング競輪の当て方はこちらの記事を参考にしてください。

まとめ

ここまで代謝制度について紹介してきました。

競輪の代謝制度は、厳しい条件である反面、必要な制度である事は間違いありません。

車券を買う人は、代謝なんてレースに関係ないと思われがちです。

しかし、知っているだけで思わぬ美味しい思いをすることもあります。

特に、強制代謝のライン上にいる選手は思わぬ力を発揮したり、周りのサポートで良い着を取る事もあるので、

その選手が今どの様な状況に置かれているのか……6月と12月の期末は特に注目して車券を買ってみてください。

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この記事を書いた人

競輪歴約15年で、毎年の回収率は約80%から100%チョイ。
競輪の魅力に取りつかれ、ほぼ毎日競輪を観戦しています。
競輪場で生の空気を楽しんだり、ネット投票で自宅から楽しんだり仕事の合間を見つけては競輪含めて公営ギャンブルを満喫中。
競輪の面白さをぜひ知ってください❕

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