今現在、日本で公営競技として認められているギャンブルは、競馬・競艇(ボートレース)・競輪・オートレースの4種類となっています。
いわゆる、3競オート(さんけいおーと)と言うやつです。
コロナ禍以降、パチンコ業界の衰退が目に見えて大きく、公営ギャンブルは人気をV字回復。
パチンコやパチスロと違い、自宅などスマホさえあれば遊べるのでコロナ初期は若者を中心に地方競馬などで盛り上がってました。
コロナが長引くにつれ、他の公営競技にも浸透していき、公営ギャンブルで「過去最大の売り上げ」や、「数十年ぶりの売り上げ」といったニュースを度々聞くようになったのです。
それでも中央競馬は人気も売り上げは、ずば抜けていて、言わば、公営ギャンブルのワントップ。
そんな訳で、競馬を多少嗜んでいる人や公営ギャンブルに興味を持ち始めたばかり人は、競艇や競輪・オートレースは、ギャンブルが好きで無いと、今でも中々触れる機会がない人も多いと思います。
他のギャンブルを始めるにはキッカケがないと興味も持ちづらいのも事実です。
そこで、今回は、ギャンブル歴15年の筆者が、競輪と競艇の面白さなど、様々な観点から比べてみました。
- 初心者さんがいきなり遊んでも安心なのは競輪&競艇どっち?
- 初心者さんでも予想しやすいのは競輪&競艇どっち?
- 素人でもガミらず当てやすいのは競輪&競艇どっち?
上記の3点を中心に、競馬以外のギャンブルを始める前に知っておきたいポイントをまとめました。
また、始める前に、注意しておきたいお得なポイントなども紹介していきます。
因みに、オートレースは、売り上げも低く開催場所も5カ所しかないので除外しました。申し訳ありません。
競輪と競艇、人気や売り上げが大きいのはどっち?
規模を比較するには、ファンの数が一番わかりやすいです。
公営ギャンブルでのファンの数を比較する場合は、本場への入場者よりも売上高が基準になります。
最近では、本場や場外へ行くよりもスマホで簡単に購入できますし納得です。
それを踏まえて、すべての公営ギャンブルの売り上げだけで比べた規模は、下記の通りです。
公営競技 | 2022年度売上 | 前年度比 |
---|---|---|
中央競馬(JRA) | 3兆2539億707万6200円 | 105.3%増 |
競艇(ボートレース) | 2兆4142億4689万1800円 | 100.9%増 |
競輪 | 1兆907億7929万200円 | 113.1%増 |
地方競馬 | 1兆703億5968万3860円 | 107.8%増 |
オートレース | 1075億4718万7700円 | 104.1%増 |
※競輪はPIST6も含みます。
中央競馬>>競艇(ボートレース)>>競輪>地方競馬>>>>オートレースといった順になります。
売り上げの次に、どれだけのファンが増えたのかをはかるには、前年との比較が簡単です。
公式で発表されている、直近2年の売上推移を見てみると、競輪は競艇だけでなく、コロナ禍でネット投票が人気になった中央競馬まで抑えて公営ギャンブルで1番の増加率となっています。
競輪に比べると、断然、競艇のほうが売り上げは多いですが、競輪は前年度比で比べると一番伸びている公営ギャンブルといえそうです。
更に競輪は2023年度も売り上げが好調で、上半期の売り上げが前年比105.8%となっており、2023年も1兆円超えが確実視されています。
競輪は、売り上げ額ではまだまだ中央競馬や競艇に及びませんが、「ファン増加率の勢い」では他のギャンブルに勝るとも劣らない勢いがあると言えるでしょう。
「競艇は一番当てやすい」という話は本当か?
競艇の公式サイトなどを見ていてみると、よく目にするのが「6艇だから予想しやすい!」「競艇は当てやすい」といった言葉です。
確かに競馬は最大18頭、競輪は最大9車で行われる事を考えると、競艇の6艇が当たりやすいのは間違いありません。
確率的にはその通りかもしれませんが、そのゲート数の差が大きかったのは過去の話し。
コロナの影響もあり、現在は競輪もS級レースを除くと7車立てが基本となっています。
6人と9人では流石に大きな違いを感じますが、6人と7人ならそれほどの差も感じません。
さらに、競輪には「ライン」という戦法がありチーム戦のような形で戦います。
「予想のしやすさ」という点では競輪の方が上だと感じる方も少なくありません。
因みに、ガールズケイリンは、純粋に力がある選手が勝つことが大半なのでもっと予想は簡単です。
競艇は「初心者でも当てやすい」はミスリード?
「競艇は予想しやすい」と同じようにアピールされているフレーズが、「初心者でも当てやすい」というフレーズです。
この話が出ると、必ずと言って良いほど「3連単全通りで考えた時、競艇は120通りしかないから当てやすい!」という結論に至っています。
単純に考えればその通りですが、そう単純に行かないのがギャンブルです。
例えば競艇なら1号艇が断然有利なギャンブルなので、多くの人は1号艇を頭固定で買います。
対して競輪なら強いラインを軸にして車券を買います。
この時点で「競艇は3連単が120通りだから~」という理論はあまり意味が無いのです。
つまり人数がどうこうよりも、公営ギャンブルで勝つためにはどのレースを買うのかが重要というよりすべてです。
例え人数が1人多い競輪でも、メンバー次第では競艇より当てやすいレースはいくらでもあります。
当たりやすいは配当が安いと同義語
競輪にも競艇より当てやすいレースがあるとはいえ、もし仮に1日全レースを購入していれば、間違いなく競艇の方が沢山当てる事ができます。
理由は先ほども少し触れましたが、競艇はインコースを走る1号艇が圧倒的に有利+6艇でのレースだからです。
例としてこの記事を書いている2023年12月3日、特にインコースが有利で有名な大村競艇場で開催されたレースを見てみると、実に12レース中9レースで1号艇が1着でした。(上の画像参照)
もちろん競艇場や天候の変化により毎回こうなるとは限りませんが、だいたいどこの競艇場でも半分以上は1号艇が1着になると考えて良いでしょう。
因みに、同じ日2023年12月3日に大宮競輪場で行われた、7車立てのレースの結果です。
9車立てでなく7車立てです。
競艇と競輪の払戻金を比べてみてもらえたら一目瞭然ですね。
競輪でもオッズが1番人気の決着がありますが、3連単になると半分が万車券。
競輪が「固いレースもある」のに対し、競艇は「固いレースが多数」というのが答えです。
つまり、全ての公営ギャンブルの中で、一番当てやすいのと同時に「一番配当が安い」のも競艇です。
競艇 | 固いレースが多数 | 配当が安い |
---|---|---|
競輪 | 固いレースがある | 高配当が多い |
因みに、競艇と競輪は還元率は75%で同じです。
つまり、1万円賭けて7,500円以上勝てる人は、平均以上勝っている人ということになります。
競艇は特にトリガミ注意
当てやすいなら競艇も面白そう
「それでも当てやすいなら…」と思った、初心者さんがやってしまいがちなのがトリガミです。
トリガミとは「当たったのに負けた」という現象で、配当が安い時に起こってしまいます。
トリガミとは、ギャンブルで、的中したにもかかわらずマイナス収支になってしまうことを指すギャンブル用語です。
「トリガミになった」省略して「ガミった」などとして現在でもよく使われています。
トリガミの由来は、古事成語の「粋が身を食う(すいがみをくう)」という故事ことわざが語源になっているという説が有力です。
「粋が身を食う」とは、「遊里・芸人社会などで、もてはやされている人は、いい気になっていつのまにか身を滅ぼすことになる」という意味からきています。
競艇は1号艇が来やすいから1号艇を1着にして2,3着を手広く買おう
競艇で、こんな考えをしているとまず負けてしまいます。
中には「半分以上のレースで的中したのにトータルで負けていた」なんて人も知っています(私)
安い配当の多い競艇で勝つにはある程度買い目を絞るか穴目を狙う必要があり、買い目を絞る=当たりやすさも低下するのです。
ですから、買い目を絞れない初心者が「舟券を当てながら尚且つプラス収支にする」のは、他のギャンブルと変わらないくらい難しいのが実情です。
競艇には競輪にはない単勝があるから当てやすい?
公営ギャンブルの中で、競輪は唯一「単勝」の販売を行っていません。
初心者の方の中には「1着の選手を当てるだけの賭け方が分かりやすくて良い」と思う人もいるでしょう。
実際1着だけ当てる賭け式は、初心者に分かりやすく1番買いやすい賭け式です。
そう考えると、単勝の無い競輪は初心者向きではないようにに感じる方もいるかもしれません。
ですが競艇でこの「単勝」、実はほとんど売れていません。
年間2兆4000憶以上を売り上げる競艇ですが、一般レースでの単勝の売り上げは「1レース当たり1万円売れるかな?」程度です。
仮に1万円分売れたとして、そこから25%は運営の取り分となり、残りの7,500円を単勝の購入者で分配する事になります。
こうなると当たってもリターンがほぼ無く、1号艇が1着の場合は1.0倍の元返しになる事も日常茶飯事。1.5倍になれば御の字といった感じです。
1.5倍でも1万円賭ければ15,000円になるしやる価値はある!
思うかもしれません。
しかし、、
そもそも全体の売り上げが1万円程度なので、1.5倍に1万円賭けてしまうとオッズは更にガクッと下がってしまいます。
結論として、競艇の1号艇での単勝では「当たった」という快感は得られますが、リターンはほぼ皆無だと思ってください。
それでも、もし単勝を買うのであれば、宝くじ感覚で、人気の無い1号艇以外の選手に100円だけ買うのが良いと思います。
因みに、競輪にもPIST6(ピスト6)という、2日間完結6車立ての公営ギャンブルが登場しています。
競輪には単勝が無い代わりに「競輪くじ」がある
因みに、競輪が単勝を廃止した理由も人気がなく販売していた時も売れなかったからなのです。
2003年を最後に、「単勝」の販売は廃止になりました。
現在は、単勝の代わりとなる「競輪くじ」が発売されています。
これは単勝と同じく1着だけを当てる買い方なのですが、3~7つのレースで1着だけを当てるというロトくじ(重勝賭式車券)です。
「チャリロト3」や「K-3」は後ろの3レースの1着だけを当てるロトくじ
多くの公営競技のロトくじは、コンピューターのランダムで運任せになってしまいます。
その点、自分で選べる「チャリロト3」や「K-3」はオススメです。
「チャリロト3」や「K-3」は、最終3レースの1着を自分で選んで当てるだけ。
しかも、1口100円という手軽さです。
特に「K-3」は人気があり、売れ行きの良い夜のレースでは50~100万円近く売れています。
滅多にありませんが、もし的中者がいない場合でも掛け金の75%が返ってくるのも嬉しいところです。
難易度は上がりますが、最終5レースの1着を当てる「チャリロト5」や「K-5」も用意されています。
「チャリロト5」や「K-5」では、的中者がいないとキャリーオーバーとなるので、配当金が次回に持ち越されキャリーオーバーの日には数百万の売り上げになる事も珍しくありません。
売り上げが増えれば配当金も増えるので、キャリーオーバーしている日は狙い目です。
このように競輪でも1人の選手を応援するだけの買い方はあるため、「単勝が無いから初心者には難しい」という考え方はしなくて大丈夫です。
因みに、チャリロト3・5やK-3・5は、販売している投票サイトが違うだけで同じシステムのロトくじです。
\チャリロト3・5を試してみる/
/無料会員登録3000円分もらえる\
\K-3・K-5を試してみる/
/会員登録で1000円ゲット\
競輪くじのやり方をもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。
競輪と競艇、レース前の脚見せと展示での予想の違い
競馬では、レース前にパドックで馬の調子や態度、馬体や毛づやなどを参考にして馬券を購入する人も多いと思います。
競輪と競艇にも、予想に役立つレース前に行う儀式が用意されています。
競輪のレース前には「脚見せ」がある
競輪はレース前には、選手が登場してて、ライン(チーム)が順番に並んで、バンクを回りお客さんに「この並びでレースをします」という「脚見せ」があります。
例えば7車の場合、【123 4 567】という感じでレース前にバンクを周ればレースでも必ずこの順番に並んでレースが行われます。
脚見せでわかるのはスタートしてからの並びです。
色々な予想サイトなどに掲載されている展開予想とは、ラインごとの並びが多少変わったりします。
また、稀にあるのは、番手(2番手)がハコ3(3番手)やハコ3とハコ4が変更になる程度です。
そして、車券を買う人は、展開を予想し車券を購入します。
基本的に、実力のある選手のラインが人気になります。
競艇のレース前には「展示」がある
競艇のレース前には「展示」というものがあります。
競艇の場合は、スタートが命なので、舟券を買う人にとっても大事な情報です。
展示は、レース前に並びやスタートタイミング、直線タイム、まわり足、一周のタイムなどを披露します。
展示も、競輪と同じくコースを回るのですが、ピット離れ(出遅れ)が原因で、レースが始まると展示と違う並びになってしまう事もあります。
そうなると「インコースの1号艇を1着固定で買っていたのに、レースが始まると1号艇が外側のコースにいた」なんて事態にもなりかねません。
舟券を買っている競艇ファンにとってこれは致命的ですが、そんな最悪の事態もピット離れ次第で起こりえるのが競艇です。
競輪と競艇の見どころや面白さの違いは?
競馬の場合は、レースの見どころ(面白さ)は多岐にわたります。
多岐にわたる理由は、1周や半周などでレースが決まり、スタートの出来の有無から、先行を得意としている馬や後から追いこむ馬など見どころが多いからです。
競艇や競輪はどうでしょうか?
競艇は1周目でほぼ決着がつく
競艇のレースは基本3周で行われますが、1周目で決着がつくレースが多くあります。
これは1番前を走っている選手は波しぶきの影響を受ける事が無く、後ろを走っている選手はモロに影響を受けるためです。
ですから、余程選手の実力やモーターに差が無い限り、一度開いた差を詰める事はできません。
もし第1ターンの時点で最後方を走っている選手が1着でゴールしたなら、それは奇跡と言えるレベルです。
そのため、競艇では最初のターンが最大の見どころとなっています。
競輪は中盤から終盤にかけて盛り上がる
競輪は途中まで誘導員が先頭を走るため、レースは中盤から終盤にかけて激しさを増します。
ゴール線では数cmという差で決着する事も多く、スーパースローで見ないと分からないほど僅差になる事も多いです。
最後の最後まで手に汗握る展開を楽しめるのが競輪の醍醐味となっています。
序盤に盛り上がりを見せる競艇か、中盤から終盤にかけて盛り上がりを見せる競輪か?
これは賛否の分かれるところだと思います。
しかし、初心者さんには最後までギャンブルを楽しんでもらいたいという点で考えると、スタートしてすぐにほとんど結果が決まってしまう競艇より、後半に行くにつれて盛り上がる競輪をおススメしたいです。
まとめ
ここまで競輪と競艇について紹介してきましたが、売り上げの多さや当たりやすさ=勝ちやすさに直結するわけでは無く、どの公営ギャンブルにも長所と短所があります。
ギャンブルに限らず初めて何かをする時は、「とりあえず人気の物を選ぼう」と思いがちですが、売り上げだけでなくいろんな面を見てギャンブルを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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